グレイな日常

ただの自分が読み返す為の日記です。

怠惰なのか鬱なのか

5月中旬精神科へと私は行った。そこで医者は私に「初期状態の鬱です。」と言った。泣いてしまったと同時にそれでも自分がただ怠惰なだけであると思う日々が続いている。

 

時は4月に遡る、私は地元の大学を卒業し、東京大学大学院へ進学した。世間的に言う「学歴ロンダリング」なるものだろう。私は合格したことに嬉しい一方で多少の不安を抱えていた。合格した研究室が第6希望だったからだ。ただそれでも「自分が東大生?かっこいい」という至極浅はかな考えの基東大へと進学してしまっていた。しかし入学して研究室に行った僅か一日目に不安は確信に変わった。当たり前の様に皆英語を話し、優秀な同期や先輩しかいなかったからだ。「ここで私はやっていけるのだろうか。」という思いを抱えつつも、何とかなるだろうと思い研究するための勉強に取り組んだ。

 

しかし、それも最初の数週間しか続かなかった。興味が持てなかったのだ。更に研究室のメンバーは既に自分よりその領域に長けている人ばかりなのにも関わらず、興味を持てない自分がついていけるのだろうかとより一層不安になり、気づけば適当に講義をこなし研究をサボって4月が終わった。GWには存分に遊び、よしここからは頑張ろうと思った矢先2日でその思いは潰れた。そこからは東大に来たことを毎日後悔した。浅はかな俗世の価値観を自分に適用し、その結果自分を苦しめていたからだ。あまりにも滑稽だ。

 

日が経つにつれて怠惰な自分に対する嫌悪感で一日中を過ごし、何故頑張れないかと自問自答する日々が続いた。これまでの人生でも興味がないと思っていた事柄に対して面白いと思えるようになった体験はあるにも関わらず、今はもう何も頑張りたくないのだ。そうだ、気付けば研究だけではない、就活もゲームも何もしたくなくなっていた。なぜだ?

 

気付けば講義もサボり、平日頑張れなかった分を取り返そうと土日に研究室にいくも胸が苦しくなって近くのソファでぐったりすることしかできなかった。

 

5月下旬になると頑張れる日もあるが、大半が頑張れない日ばかりになっていた。そして、木曜の夜に何となく公園を散歩し帰ろうとした時、自分の足が鉛のように重くなっていた。10分かけて歩いてきた道を1時間かけて歩いた。いや時間なんて分からない。何も考えられず頭がふわふわしていた。ただしかし家に着いてしまうことが怖くてたまらなかったのだ。

 

ようやく夜中の2時ごろに家に着いた。そこからは真っ暗な部屋の中で希死念慮を抱きながらYoutubeで「死にたい」「自殺」と打ち込んでは表情一つ変えず視聴した。それからは真っ暗な日々が三日ほど続いた。

 

昼頃に目が覚めてから部屋の電気もつけず遮光カーテンに包まれた真っ暗な部屋で冷凍パスタを平らげそれ以外の時間を全てベットの上で過ごした。食欲は無いながらにご飯を食べられる自分にショックを受ける程卑屈になっていた。

 

しかし、三日目の夜にふっと体が軽くなり、久しぶりに部屋の明かりをつけ、スーパーに行き、ご飯を平らげ、この文章を書く自分が存在している。不思議でたまらない。さっきまでの自分は何だったのだろう。また、元気な自分と鬱な自分の白線上に立っている気がしてならない。どちらにも足を踏み入れられるとても細い白線だ。

 

そんなことを考えながら「鬱だと診断されたが自分はただ怠惰な人間でしかない」という思いを何度も抱く。思い返せば今回に限った話だけでない。私の人生は楽しいと思える瞬間が少ない。